TOP > COLUMN

ここでは皆さんにパテックフィリップについての魅力、情報、データその他を公開していきたいと考えています。
初回ですから、本当はパテックフィリップの歴史等をご説明するのが、本来の姿かもしれません。しかしながら、弊社のホームページにお越しくださっている皆様は、既にご存知の事と勝手に想像しますので、あえて省略させていただきます。

そこで初回は、ref.2499の後継モデルとして1986年以来ベストセラーを続け、昨年惜しまれつつその製造を終了しましたref.3970についてのデータを説明させて頂きたいと思います。

ref.3970は皆様ご存知の通り、最近のパテックフィリップを代表するグランドコンプリケーションのモデルです。現在でも在庫を保有している時計屋さんはまだ販売をされているようですが、店頭在庫が切れ次第新品は手に入らなくなることは必至です(もちろん、デッドストックを除きます)。

オークションの市場では、ref.3970はそれまでどちらかというと、リーズナブルな価格で取引されておりましたが、製造中止のニュースを受けて、一気に価格が上がってしまいました。それまでに、リーズナブルな価格でref.3970を購入されたコレクターの皆様は、ひそかにほくそえんでいるのではないかと想像します。最近の例では、サザビースの昨年12月のニューヨークオークションで比較的程度の良い、ref.3970が78,000ドルで取引されました(プレミアムを含む)。昨年のほぼ同時期には5万ドル台で取引されていた事を考えると、価格が一年で40%も上がってしまったと言う事になります。こうしていうと、パテックフィリップを投機の対象として考えてしまう方もおられるかもしれませんが、飽くまで時計は時計ですから「使って何ぼ」です。その方が、時計にとっても嬉しいでしょうし、時計コレクターとしての本来の姿であると考えます。

少し余談になりますが、パテックフィリップのアンティーク時計の唯一の欠点(?)は、傷ついたり、汗や埃で汚れるのを恐れる余り、もったいなくて使えないという事です。私自身もどうも左手が気になり、妙にぎこちなくなってしまう事も多々あります。時々、そんな事を気にせずもっとがんがんはめられる時計も良いなと思ったりする事もあります。皆さんはいかがでしょうか?


次はref.3970の世代別の特徴について、写真も交え説明させていただきたいと思います。






1. ケース

ref.3970は、そのケース形状という意味合いでは3シリーズに分類されるといわれています。
1stシリーズは、裏蓋がスナップオン(はめ込み式)になっております。これは、初期のモデルのみに採用され、製造個数は、およそ100個程度と言われ、3つのシリーズの中では最もレアのモデルとして評価されています。
次に2ndシリーズですが、こちらは裏蓋が、スクリューバック(ねじ込み式)になっております。この2ndシリーズが誕生してから、程なくしてref.3971が発表されました。このモデルは、ref.3970と基本的に一緒ですが、裏蓋にサファイアクリスタルバックが用いられたモデルで、いわゆるスケルトンでムーブメントが見れるようになっています。

その後、顧客よりref.3970モデルのスケルトンバックの個別注文が相次いだ事から、3rdシリーズはref.3970E(Eとはetanche→フランス語で「防水」の意)として、いわゆるゴールドのねじ込み式の裏蓋とサファイアクリスタルの裏蓋がセットで販売されるようになりました。これらからref.3971は非常にレアなモデルとして、オークションでも高値で取引されております。また、ref.3970/2はゴールドブレスレットと時計が一体化したモデルですが、こちらも通常のref.3970と同様ではめ込み式の裏蓋のモデルは非常にレアとされています。尚、バックルについては3rdシリーズの途中までは山型のバックルが使用され、1997年以降のモデルにはdeploymentバックルが採用されています。



2. ダイヤル

ダイヤルは3世代に分かれるといわれています。第1世代は、非常に微妙な2トーンシルバーで、バトン型のインデックス、針はリーフ型になっております。また、日付の数字がそれ以降の世代と異なっています。また、初期のモデルの方が、印刷が比較的薄めになっております。第2世代は第1世代との差は非常に微妙で、ダイヤルが2トーンで無いこと、日付のフォントが違う事、またダイヤルのフォントも多少異なっております。第1世代と第2世代の違いは非常に微妙で、強いて言えば日付のフォントが違う点が比較的分かりやすいかと思われます。

第3世代はそれまでの2世代と較べて、その変化は非常にわかりやすく、インデックスがそれまでのバトン型ではなくトライアングル型になっている点と、針もそれまでのリーフ型からバトン型になっている点です。また、それ以外にも文字盤の濃度が若干濃くなっています。また、この世代からプラチナとホワイトのケースでブラックダイヤル(同時にダイヤモンドインデックスも)が選べるようになりました。イエローにもダイヤモンドインデックスがありますが、こちらは非常にレアなモデルのようです。
また、針については、ドーフィン型の針を使用したモデルもあるようです(私はまだ、見たことがありません)。







3. ムーブメント

ムーブメントはレマニアのエボーシュをベースにした27-70のキャリバが使用されました。このキャリバはref.3970を製造している間、ずっと継続して使用されましたが、唯一ナンバリングシステムが1990年代の半ばにそれまでの875から始まる6桁のナンバーから304で始まる7桁のナンバーに変更されました。

以上ここまで、現段階で確認されている特徴をベースに説明させていただきましたが、今後それまでに無いようなカスタムピースが発見されることもあるかと思われますし、研究が進むうちに新しい見解も生まれてくる可能性はありえます。
製造個数については、今のところ正確な数字は分かっていません。しかしながら既に製造を中止しており、今後市場から急速に姿を消していき、それに伴い相場が上がってくるであろう事は容易に想像されます。現段階では、ref.3970の前任モデルであるref.2499と比較してもまだまだリーズナブルな価格で取引されており、今のうちに手に入れておく事をおすすめします。